グローバル事例

「タイプラスワン」として熱い視線が向けられている
カンボジア

広報パーソン探訪記

報道チーム中村 雅昭

2014年入社。広報部報道チームで輸送機?建機事業部門、資源?化学品事業部門、財務?経理?リスクマネジメント、サステナビリティ、アジア大洋州を担当。トレーニーとしてベトナム ハノイに1年間駐在した経験あり。長期休暇は、南国に旅行し、海を見ながらゆっくり過ごすことが多い。将来は海の近くに住みたい願望あり。東京オリンピック?パラリンピックでビーチバレーを生で観戦できることに心が震えている。

住友商事は、東南アジア?オセアニア地域において14カ国でビジネスを展開している。その中でも「タイプラスワン」(※1)の一端を担う国として現在熱い視線が向けられているのがカンボジアだ。住友商事のグループ会社であるスミトロニクスの4番目の製造拠点、スミトロニクス?マニュファクチュアリング?カンボジア(以下、SMC)は、2019年12月にポイペト?プノンペン経済特区(以下、ポイぺトPPSEZ)と合同で開所式を実施した。開所式に合わせ、筆者はカンボジアのポイペトを訪れた。

  1. タイプラスワン:タイに製造業の拠点を構える日系企業が、タイの洪水リスクや人件費の高騰を踏まえ、労働集約的工程をタイ周辺国の経済特区に移転させるビジネスモデル

カンボジアのポテンシャル

カンボジアはタイ、ベトナム、ラオスに囲まれており、人口は約1,600万人、面積は日本の約2分の1程度の仏教国である。世界遺産のアンコール?ワットがある国と言えば、想像がしやすいのではないだろうか。カンボジアの主要産業は第一次産業だ。にもかかわらず、なぜカンボジアには「タイプラスワン」を支える国として注目を集めるのか。理由は大きく2つある。

1つ目は、タイのバンコクからベトナムのホーチミンまで結ぶ南部経済回廊(※2)がカンボジア国内を横断していることだ。カンボジアは、南部経済回廊を利用し、日本企業が集積するバンコクやホーチミン周辺のサプライチェーン構築を目指している。つまりカンボジアは、メコン経済圏の発展に大きな役割を果たすと期待されているのだ。

2つ目は若い労働力である。人口に占める14歳以下の割合が31.6パーセントと若年層が多く、今後も労働人口の増加が期待される。さらに、近隣諸国に比べて低い人件費が注目され、労働集約型産業への投資も活発である。

ポイペトPPSEZのオフィス棟

カンボジアのGDPは近年、年間約7パーセントの成長を遂げている。2018年の実質GDP成長率は前年比7.5パーセントと加速しており、8年連続で7パーセント台の高成長を継続している。カンボジアは今後も安定的な成長が見込まれる国のうちの1つだ。

ポイペトは、過去にタイ資本企業がカジノを建設したことで有名だったが、タイのバンコクから車で約4時間という好立地に加え、周辺人口およそ300万人という豊富な人材を抱えていることにより、近年はタイ向けの製造拠点としての可能性が注目されている。

  1. 南部経済回廊:南北経済回廊、東西経済回廊と並ぶ東南アジアの国際幹線道路。人口200万人超の大都市を結んでおり、日本のODAも活用されている。

合同開所式に参加

SMCとポイペトPPSEZの合同開所式には、カンボジア政府関係者、在カンボジア日本国大使館関係者、入居企業関係者に加え、市立高校の生徒なども含め、総勢約150人が集まった。
開所式は、カンボジアの伝統ダンスから始まり、関係者あいさつ、テープカットなどを実施。カンボジア開発評議会のソク?チェンダ特命大臣は、「カンボジアの内戦はもう終わっており、今は平和だ。政府は、カンボジアの成長?発展に向けて積極的に取り組んでいく。SMCが多くの雇用を生み出すことに期待している」と熱を込めて語った。

ポイペトPPSEZはポイペトで3番目に完成した工業団地で、当社が販売代理店を務めている。タイ国境から約8キロメートルに位置し、首都プノンペンからタイへ続く南部経済回廊の一部である国道5号線からのアクセスも良好。約70ヘクタールの敷地内には安定した電力供給や給排水のための充実したインフラ設備が計画されており、土地販売と併せてレンタル工場の建設も予定している。

開所式で特に印象的だったポイペトPPSEZのプレゼンテーションでは、完成までの道のりが写真付きで紹介されており、何もない更地から工業団地操業までの約4年という月日を実体験のように感じることができた。工業団地の電線工事以外はカンボジア企業が手掛けたことから、メイドバイカンボジアの工業団地といえるだろう。近い将来、ポイペトが一大工業地帯になる未来を想像すると、興奮が抑えられない。

合同開所式での集合写真。左から6番目がソク?チェンダ特命大臣

SMC新工場を見学

SMCは、タイで製造を手掛ける日系車載?家電メーカー向けに、低コストかつ安定した電子機器製造受託サービス事業(以下、EMS事業)を提供するため、他の日系EMS事業者に先駆けて2016年にカンボジアに進出した。ポイペトにおいては、17年1月に拠点を構えて事業を開始。今回、ポイペトPPSEZの第1号入居企業として拠点を新たにした。

新工場内を見学した際は、その清潔さに大変驚いた。SMCの従業員は、来訪者に日本語で丁寧にあいさつしており、日本にいるのではないかという錯覚に陥るぐらいであった。

なぜ工場が片付いているのか。それは毎朝の掃除だ。毎朝、従業員全員で工場の隅々まで清掃しており、社長の三船紀也も率先して参加している。現在従業員は90人程度と、自社工場完成に伴い昨年よりも3倍ほど人員が増えた。

レンタル工場時代に行っていたワイヤーハーネス(※3)製造も引き続き手掛けている。種類の異なる複数本のワイヤーを取り付ける作業や、ワイヤーをひねって束ねる作業のスピードと正確さに驚いた。カンボジア人は真面目で手先が器用とは聞いていたが、実際に見てみると筆者には到底真似できないほどの細やかな作業をしていた。

EMS事業の新たな取り組みとして、エアコン用の基板実装も開始した。部品は全てタイから搬入され、バーコードで管理されている。品質は大変高い。安定的な生産体制を維持するとともに、今後は増産も視野に入れている。

現地の経済発展とともに、カンボジア国内の雇用創出に貢献することがSMCに期待されている。メコン経済圏で特に成長が見込まれるカンボジアで、カンボジアのために、そして「タイプラスワン」を体現するために奮闘しているSMCの今後に注目したい。

  1. ワイヤーハーネス:自動車の車内配線など、多くの電気配線を必要とする機械装置で用いられる部品の集合体
大変礼儀正しいSMCの社員たち
SMC新工場玄関にある看板

(おまけ)かぼちゃの由来

皆さんはかぼちゃの由来をご存じでしょうか?筆者も最近まで知らなかったのですが、実はカンボジアが語源です。江戸時代にポルトガル人がカンボジアの産物として日本にかぼちゃを伝えたことが由来のようです。カンボジアのどこでかぼちゃが採れるのか気になるところですが、それは次回訪問時に探してみようと思います。

ちなみにカンボジアでかぼちゃを食べたことはないが、アンコールビールはいつも飲む

2020年01月掲載

キーワード

  • インフラ事業
  • メディア?デジタル事業
  • アジア?大洋州

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